研究課題/領域番号 |
04452051
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
朝山 邦輔 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (20029416)
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研究分担者 |
鄭 国慶 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (50231444)
北岡 良雄 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (70110707)
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キーワード | 重い電子系超伝導 / 磁気秩序 / スピンのゆらぎ / UPd_2Al_3 / UNi_2Al_3 / CePd_2Al_3 / NMR / NQR |
研究概要 |
今年度は、前年度に引き続き重い電子系超伝導体UM_2Al_3(M=Ni,Pd)の磁気的性質及び超伝導特性について、以下述べるような知見を得た。 1.U123系及び関連物質Ce123系の磁性 1.UNi_2Al_3は、比較的小さい0.06μ_Bの磁気モーメントがc-軸方向に変調されたヘリカル構造であることを結論した。しかし中性子回折の実験は、スピン密度波構造であることを示唆し、一致していない。 2.UPd_2Al_3については、中性子回折の研究で明らかにされた磁気構造と矛盾しない結果が得られた。他の測定で得られた磁場による磁気構造の変化は反強磁性状態のドメイン構造に起因していることを明らかにした。 3.CePd_2Al_3は、UPd_2Al_3と同じ結晶構造で、且つ同じスピン構造をもつが超伝導は示さない。磁性と超伝導との関係を調べるため比較研究を行った。この系では磁気秩序の試料依存性が報告されているが、その原因がアルミニウム位置の乱雑さに起因していることを明らかにした。U123系の超伝導特性が単結晶で劣化するが、これも同じ原因であることを示唆した。この様にミクロな結晶の均質性と磁性及び超伝導性との強い相関が本系の重要な特徴であることが判明した。 2.UPd_2Al_3の超伝導 1/T_1は、T_C直下での増大なしにT^3に近い温度変化を示し、線状でギャップレスになる異方的超伝導モデルで説明可能である。しかしながら0.6K以下の低温ではそのような変化からずれる。これが、超伝導混合状態での磁束の影響なのか、試料の質に起因するのかを調べる為に、1/T_1の磁場変化を測定した。その結果、磁場の減少と共に、1/T_1が減少し、T^3に近づくことが分かった。
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