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1992 年度 実績報告書

量子飛躍を利用した極低温イオン衝突過程の研究

研究課題

研究課題/領域番号 04452054
研究機関東京大学

研究代表者

立川 真樹  東京大学, 理学部, 助手 (60201612)

研究分担者 清水 忠雄  東京大学, 理学部, 教授 (90011668)
キーワードイオン衝突 / 量子飛躍 / イオントラップ / レーザー冷却 / RF加熱
研究概要

本研究は、レーザー冷却によってmK程度まで減速されたイオンと原子分子間の衝突過程を量子飛躍信号を通して検出し、極低温におけるイオン衝突の特性を明らかにすることを目的としている。
本年度はまず、常温の各種緩衝ガスとの衝突によってRFトラップに蓄積されたMg^+イオンの特性がどの様に変化するかを調べた。その結果、衝突相手がイオンよりも軽い場合、緩衝ガスとの衝突によってイオンは冷却されるが、イオンよりも重いガスとの衝突では、閉じ込め用のRF電場のエネルギーが吸収されて加熱が生じることが明らかになった。我々は、弾性衝突を仮定したモデルに基づいて、これまで経験的にしか知られていなかったRFトラップ中のイオン温度と緩衝ガス圧の関係式を導出し、実験結果を定量的に再現することに成功した。これらの解析から、緩衝ガスとの衝突によるイオンの冷却限界が1000K程度であることが明らかになった。
更に、リングダイレーザーの第2高調波によって発生させた280nmの紫外光によるレーザー冷却によって、Mg^+イオンを極低温化した。トラップ中のイオン数が比較的多い場合、冷却は緩やかに進行し、到達温度は1K程度である。この場合冷却限界は、イオン衝突によるRF加熱によって決まっていることが明らかになった。これに対してイオン数が減少すると、レーザー冷却によって相転移が起こり、イオン結晶が形成されることが確認された。現在は、量子飛躍の観測に適したBa^+のレーザー冷却を進めている。
これらと並行して、新しいタイプの線形RFトラップ電極についてその閉じ込め特性を理論的に評価し、従来型のトラップに比べてレーザー冷却効率が著しく上がることを明らかにした。本トラップは必要に応じて来年度の実験に取り入れていく予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Y.Moriwaki: "Collision Cooling of Ions Stored in Quadrupole Radio-Frequency Trap" Jpn.J.Appl.Phys.31. L1640-L1643 (1992)

  • [文献書誌] M.Tachikawa: "Dynamic Properties of Ions Stored and Laser-Cooled in Linear Trap" IEEE Trans.Instrum.Meas.

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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