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1992 年度 実績報告書

反転分布の無いレーザー作用の概念の非線形光学への拡張

研究課題

研究課題/領域番号 04452055
研究機関電気通信大学

研究代表者

白田 耕藏  電気通信大学, 電通, 教授 (80164771)

キーワード非線形光学 / 反転分布の無いレーザー / 量子干渉効果 / 水素原子
研究概要

本年は3年度からなる計画の第1年度であり、基本システムを立ち上げ基礎データを得ることを目的として研究を開始した。本計画の基本は、原子の準安定励起状態をその上準位とレーザー場で強く結合する事によりいわゆるドレストステートを形成し、実効的に共通準位に緩和していく2準位を創りだすことである。このような2準位は量子干渉効果を示すことが理論的に予測されており、非線形過程に対し種々の興味ある特性が実現しえる。本計画の最大の眼目はこの量子干渉効果を実験的に定量的に明かにすることである。
本実験を成功させるための最大のポイントはドレストステートを形成するためのレーザー光の質であり、それが時間的、空間的、スペクトル的に高度に制御された高度の質を有することである。また非線形光学過程の観測には同時に2波長で発振することが必須である。初年度の最重要課題はこの条件を満たすレーザーシステムの立ち上げである。本年度において当研究室ではYAGレーザー励起の広帯域モードホップ無しで同調可能なパルス色素レーザーを開発し、それをコンピューター制御することにより上記条件を満たす2波長色素レーザーシステムを完成させた。本レーザーシステムは当初の目論見を十分に満たす内容で現在稼働している。
水素原子系における量子干渉効果を含む非線形光学過程の実験は、本研究の先駆けとなったdc電場による水素原子の2倍高調波発生のシステムを利用することにより既に開始されつつあり、予備的なデータが蓄積されつつある。なかでも光イオン化信号による量子干渉効果の観測は極めて明暸な結果をもたらしつつある。その内容は、dc電場による効果とはやや異なり、レーザー場によるドレストステートの生成の特徴が明確になりつつある。現状では本計画は順調に推移しつつあり次年度に大きな発展が期待できる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] K.Hakuta: "Nonlinear optical generation with reduced absorption using electric-field coupling in atomic hydrogen" Physical Review(A). 45. 5152-5159 (1992)

  • [文献書誌] L.Marmet: "Second-harmonic generation in atomic hydrogen induced by a charge-separation field" Journal of Optical Society of America(B). 9. 1038-1046 (1992)

  • [文献書誌] G.Z.Zhang: "Scanning geometry for broadly tunable single-mode pulsed dye lasers" Optics Letters. 17. 997-999 (1992)

  • [文献書誌] K.Hakuta: "Second harmonic generation with reduced absorption in atomic hydrogen(Invited Paper)" “Laser Spectroscopy". 10. 301-306 (1992)

  • [文献書誌] 白田 耕藏: "反転分布の無いレーザー" レーザー研究. 21. 123-125 (1993)

  • [文献書誌] 張 光志: "広帯域波長可変単一モードパルス色素レーザー" レーザー学会研究会報告:レーザー計測. RTM-93. 1-6 (1993)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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