研究課題/領域番号 |
04452058
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
小早川 惠三 神戸大学, 発達科学部, 教授 (00031287)
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研究分担者 |
河本 敏郎 神戸大学, 理学部, 講師 (70192573)
蛯名 邦禎 神戸大学, 発達科学部, 助教授 (50151999)
原 俊雄 神戸大学, 理学部, 助教授 (50156486)
國友 正和 神戸大学, 理学部, 教授 (40031348)
森井 俊行 神戸大学, 発達科学部, 教授 (20031370)
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キーワード | アクシオン / 光共振器 / レーザー / 暗黒物質 |
研究概要 |
本研究の目標は、“強いCP問題"を解決に必要な未発見の極微質量を持つ粒子アクシオンを生成・検出することである。本年度計画はレーザーと光共振器を導入した高性能の実験装置の製作と評価及びこの装置による観測期待値等の理論的研究である。 本年度の研究経過および成果は以下の通りである。 1.実験装置の製作:昨年度のレーザー光源と変換部(光共振器・制御系および磁石)に続いて、光検出器・信号処理系を設計・製作した。 (1)光共振器と制御系:長さL=1m、フィネス1.3×10^4(Q値〜10^<10>に対応)の光共振器と、これを外部磁場B=1.2Tの下で、レーザー波長(角振動数ω)との共鳴状態を常時保持する制御系を製作した。 (2)光検出器:メーカーに特別選択を依頼した単一光子計数用の光電子増倍管と冷却器により、ダークパルスがN〜0.1個/sのほぼ理想的な光子計数器の製作に成功した。 (3)信号処理系:信号の収集・処理のプログラムを現在作成中である。 以上の通り、部分的にはほぼ完成し、全体の組立・調整の段階である。 2.理論的研究:アクシオンと電磁場との結合定数gがどの程度の大きさであれば、この装置で観測できるかを厳密に計算した。アクシオンから変換された光子検出数として光子数(1/s)=7.6×10^<-7>(g/(10┣D1-7┫D1GeV┣D1-1┫D1))^4((2.33eV)/ω)^3(Q(/)10┣D110┫D1┫D1┣D7Q(/)10┣D110┫D1)┣D12┫D1(┣D7B(/)1.2T┫D7)┣D14┫D1(┣D7L(/)1m┫D7)┣D12┫D1(┣D7P(/)0.1W┫D7)を得た。ここで、Pは入射光子のパワーである。g=10┣D1-7┫D1GeV┣D1-1┫D1のとき24個/年になる。さらに100日間観測のnull実験ではN=0.1/sとし、gの上限はg<5.0×10┣D1-7┫D1GeV┣D1-1┫D1と推定した。 なお、理論面ではQ値とフィネスの関係等の問題が残されている。
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