現在、先進各国で開発中の可視光リモートセンサーは測定波長幅が極めて狭いという特徴を持つ。その応用の第1としてクロロフィル-aの紫域吸収帯を利用して基礎生産量を推定することが試みられ様としている。しかし、この方法を適用する場合、対象海域(特に沿岸域)に存在する溶存有機物の吸収、蛍光によるマスキングが生じ、単純なアルゴリズムでは推定が困難と思われる。溶存有機物の吸収特性は比較的よく調らべられているが、蛍光特性、特に蛍光量子収率はまったく調らべられていない。本年度はこの蛍光量子収率を駿河湾を中心として決定を行なった。その結果、収率の値は一定ではなく海域、時期において変動することが判った。変動は0.03〜0.001の間であった。またその平均は0.01であった。
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