研究課題/領域番号 |
04452075
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研究機関 | 国立極地研究所 |
研究代表者 |
山内 恭 国立極地研究所, 北極圏環境研究センター, 教授 (00141995)
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研究分担者 |
山崎 孝治 気象研究所, 気象研究部, 室長
和田 誠 国立極地研究所, 研究系, 助手 (40132716)
青木 周司 国立極地研究所, 研究系, 助手 (00183129)
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キーワード | オゾン / 輸送 / 南極オゾンホール / 成層圏 |
研究概要 |
昭和基地におけるオゾン全量、鉛直分布の観測データ、TOMSによるオゾン全量水平分布のデータから1993年の南極オゾンホールは過去最大と言われた1992年と同様の最大規模であったことが確認された。ハレーベイ基地では100DU以下が観測されている。但し、ホール-極渦-の形が極端に歪んでいたため、極渦の周辺にある昭和基地では10月11日、一担はこれまでの最低値を更新し139DUを示したものの、変動が大きく、月平均値としては9月、10月も92年には及ばぬ値となった。 南極昭和基地およびゲオルグフォスター基地での長年のオゾンゾンデ観測結果の詳しい解析を行い、極域成層圏の状態が時期により変化していることが分った。1966年から92年までの間の前半では成層圏上部で熱帯成層圏のQBO(準2年振動)に対応する2年振動力がよく発達し、後半は成層圏下部で2年振動が発達していた。1986年以降70hapa高度では、10月平均オゾン温度が高めの年はQBOは西風、オゾン濃度が低目の年QBOは東風であった。オゾン濃度の変化が、高度により、化学により支配されている部分、力学的影響を強く受けている部分、そして火山噴火等のエアロゾルの影響を強く受けている部分があることが明らかになった。 大気大循環モデルによる解析から、パッシブトレーサーの輸送が調べられ、南極大陸上空では成層圏から対流圏への下向き輸送が起っているらしいことを示す結果が得られた。 対流圏オゾンについては、地上オゾン観測データに見られる春季の急減現象を追跡した。南極に加え新しく始った北極域スバールバル、ニーオルスンの観測データからも、3月末から4月、5月にかけてオゾンの急減現象が見られ、南極、北極の相似性、太陽光との関連、が示唆された。
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