研究課題/領域番号 |
04452076
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
岩坂 泰信 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (20022709)
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研究分担者 |
林 政彦 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助手 (50228590)
小池 真 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助手 (00225343)
松永 捷司 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (60022729)
近藤 豊 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (20110752)
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キーワード | ピナツボ火山噴火 / 成層圏エアロゾル層 / オゾン層への火山影響 / レーザレーダ観測 / 太陽紫外線強度 / オゾン全量への火山影響 |
研究概要 |
ピナツボ火山噴火によって成層圏に多量のエアロゾルが発生した。本年度は名古屋大学太陽地球環境研究所の豊川キャンパス内で、レーザレーダ(ライダー)による成層圏エアロゾルの連続観測をおこなった。いっぽう、オゾン濃度、地上における太陽紫外線強度などを同時にモニターしてきた。 レーザレーダによる観測では、噴火直後から増え続けた成層圏エアロゾル濃度が平成4年の5月末から減少傾向をしめしはじめた。しかし、7月に入ってこの減少傾向はめだって鈍化した。ピナツボ火山の第2回目の噴火がその原因ではないかと考えられる。 この2回目の噴火直後に偏光解消度が急増しており、硫酸液滴以外にも火山灰が多量に成層圏に吹き込まれたと判断された。 オゾン全量については、火山噴火の影響と判断される積極的な兆候は見いだされていない。しかし、データの統計的な処理方法をさらに工夫し検討を続ける必要がある。特に、噴火の影響が際立った1992年と影響がかなり減少すると予想される1993年との比較が重要と考えられる。地上での太陽紫外線の全体の強度においても、現時点では直接的な影響は見いだしていない。しかし、紫外線をUV-AとUV-Bとにわけて観測してみると、火山噴火以後UV-B波において強度の減少が示唆される例が出ている。さらに継続観測が必要と考えられる。
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