研究課題
平成4年度に引き続きライダー観測を継続するとともに、火山噴火後の増強したエアロゾル層が減衰してゆく経過、窒素酸化物などへの影響、気温への影響などについて本格的なデータ解析を行なった。平成4年の夏から秋にかけて、再び増大しはじめたエアロゾル濃度は、11月にはピークにたっししばらくその値を維持したのち平成5年初冬から減衰する傾向を示した。この再増大については、われわれは偏光解消度の再増大をともなっていることからみて再びどこかの山が噴火しその影響をこうむったものと考えている。しかし、一方では大気の力学的な影響がこのような結果をもたらすものであるとの見解もだされており、熱い論争を巻きおこしている。窒素酸化物の減少を引き起こしている可能性が高く、いずれオゾン層の消失を早める効果が出てくる可能性が高いことが判明した。成層圏気温がエアロゾル層が増強した場所では正偏差を示すことが示され、成層圏がエアロゾル濃度が増加したために太陽放射の散乱が強くなり成層圏気温が上昇しているためと考えられる。昨年度と今年度の結果を取り纒めて印刷公表した。
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