研究課題/領域番号 |
04452085
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
白木 靖寛 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (00206286)
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研究分担者 |
深津 晋 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助手 (60199164)
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キーワード | 共鳴電子捕獲 / ヘテロ界面 / トンネル障壁 / 量子力学的反射率 / 電子波ミラー / 低次元量子構造 |
研究概要 |
本研究は、半導体超微細構造における共鳴電子捕獲効果のメカニズムを明らかにした上で、それを人為的に制御する技術を開発することを目的としている。 当年度は、共鳴電子捕獲制御における量子井戸構造の最適化に関して、きわめて重要な知見を得ることに成功した。 具体的には、量子井戸の両ヘテロ界面にトンネル障壁を挿入することによって、共鳴電子捕獲効果が著しく増大するという効果に着目し、そのトンネル障壁厚さ依存性を詳細に調べた。ガリウムひ素/アルミニウムガリウムひ素量子井戸界面に、アルミニウムひ素をトンネル障壁層として挿入した。その結果、1分子層のトンネル障壁を挿入するだけで、共鳴電子捕獲効果は著しく増大することが明かになった。この結果は、1分子層のトンネル障壁により、量子井戸ヘテロ界面におけるバリア電子の量子力学的反射率が、十分高くなっていることを意味しており、理論計算との対応も極めて良いことが分かった。 このように、共鳴電子捕獲効果は、両ヘテロ界面という電子波ミラーにトンネル障壁を挿入し、いわば“高反射コーティング"することによって、人為的に制御することが可能となることが明らかになった。 本知見は、低次元量子構造において共鳴電子捕獲効果制御を最適に行う上できわめて重要なものである。
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