研究課題/領域番号 |
04452090
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
安田 幸夫 名古屋大学, 工学部, 教授 (60126951)
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研究分担者 |
小出 康夫 名古屋大学, 工学部, 助手 (70195650)
財満 鎮明 名古屋大学, 工学部, 助教授 (70158947)
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キーワード | 擬1次元キャリア / 不純物伝導 / 1次元ホッピング伝導 / 磁気抵抗 |
研究概要 |
本補助金の採択の内示があったのが、平成4年の10月であり、交付申請書に記載した設備備品(直流電源、デジタルマルチメータ、エレクトロメータおよび数値計算用のワークステーション)は、平成5年1月に完備された。従って、本研究の目的である擬1次元キャリア系の移動度を直接決定する実験は、まだ準備段階にある。しかしながら、これまでに行った結果および新しく得られた知見は、以下のようにまとめられる。 (1)ビーム径100nm程度に集束イオンビーム装置を用いて、n形Si基板中にGaを種々の濃度で1次元状に注入することにより、p形細線伝導領域(直径0.1μm、 長さ50μm)を形成した。この後、フォトリソグラフィー技術を用いて、細線の両端および基板裏面にAlのオーム性電極を形成し三端子デバイス構造を試作した。 (2)作製したp型Si細線の伝導率の温度特性を3〜300Kの範囲で測定した結果、10^<19>cm^<-3>以上のGa濃度の試料においては、50K以下の温度において不純物伝導が観測された。しかも、この不純物伝導は1次元のホッピング伝導機構に従うことがわかった。 (3)この試料の極低温における磁気抵抗を測定したところ5テスラの範囲において、正の磁気抵抗が観測されるとともに横磁気抵抗係数が50K以下において急激に減少した。このことは、50K近傍以下において散乱機構の急激な変化があることを示しており、上記(2)の結果を支持している。
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