研究課題/領域番号 |
04452092
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用物性
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岩崎 裕 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (00029901)
|
研究分担者 |
白 永換 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (70263316)
吉信 達夫 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (30243265)
|
研究期間 (年度) |
1992 – 1994
|
キーワード | シリコン / RCA洗浄 / エッチング / フローセル / マイクロラフネス / STM / AFM / フラクタル |
研究概要 |
ULSIプロセスにおいて。超純水洗浄や各種の湿式プロセスでの超クリーン・高精度化は、今後の半導体技術の発展にとって極めて重要な課題である。本研究ではこのような高度な要求を満たす湿式処理方式及び装置の基本的な検討を行うため、超クリーンクローズド多重湿式プロセス装置を試作し、多重湿式処理による表面状態の変化、シリコン表面の清浄化、シリコン/熱酸化膜界面の原子的レベルでのラフネスの評価などの基礎研究を行った。その主な結果は次の通りである。 4インチウェーハに対し、液液交換による一貫したRCA洗浄等が可能はフローシステムを実現し、優れた湿式処理特性を得た。先ず、通常のオーバーフロー方式に比べて優れた液液クローズド薬液置換特性を持つことを確認した。湿式処理については、例えば、フッ酸による酸化膜エッチングの均一性は、17℃の1%フッ酸で10分エッチした結果、平均エッチ速度は50.5Å/min.で、エッチング速度の4インチウェーハ面内均一性はrmsで1.15Å/min.で±2.3%以下であった。 湿式プロセス中のシリコン/溶液界面状態を、電気化学STMを用いて観察した結果、(1)フッ酸で処理したSi(111)面はステップ構造が観察できたが、50x50nm^2のrms荒さが0.60Åと荒く、(2)フッ化アンモニアで処理したSi(111)面は薬3.2Åのダブルステップ構造が観察でき、rmsが0.38Åと平坦で、他の報告と一致する傾向を示した。 シリコンの化学エッチングなどの表面プロセスによるメゾスコピックスケールでの表面ラフニングを、STMやAFMを用いて実験的に研究し、表面ラフネスのスケール性、特にセルフアファインなラフネス指数と特性相関長などを明らかにした。 今後の課題としては、本研究の成果を基に、電気化学STMフローシステムを用いて、シリコン表面の湿式プロセスの原子レベルでの振る舞いを明らかにし、液液交換方式による湿式プロセスの優位性をさらに明らかにすることである。
|