研究課題/領域番号 |
04452096
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研究機関 | 武蔵工業大学 |
研究代表者 |
服部 健雄 武蔵工業大学, 工学部, 教授 (10061516)
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研究分担者 |
野平 博司 武蔵工業大学, 工学部, 助手 (30241110)
秋谷 昌宏 武蔵工業大学, 工学部, 助教授 (60231833)
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キーワード | 金属 / 酸化膜界面 / シリコン酸化膜 / シリコン界面 / 平坦性 / 水素終端 / 初期酸化過程 / 界面形成過程 / 局所的酸化 / 界面反応 |
研究概要 |
現有の高感度高分解能X線光電子分光分析装置に接続可能で、かつ本研究の目的に適う分子ビーム源を装着可能な超高真空チャンバを設計した。このチャンバには現有の高速電子回折装置、試料温度測定用の赤外線温度計、真空排気装置、トランスファーロッド、ターボ分子ポンプ等を装着できる。尚、本研究に必要な分子ビーム源、同電源、分子ビーム源用るつぼなどは本年度購入した。上記の構成の分子線エピタキシー装置の製作を予定通り完了することができたので、今後は装置を組み上げて、極薄金属/極薄シリコン酸化膜界面構造の解明を行なうための予備的検討を先ず行う予定である。本年度に予定していたふっ化アンモニウム処理により得られる原子スケールで平坦な水素終端n形Si(111)面およびp形Si(111)面の初期酸化過程の研究も予定通り完了し、現在その詳細な解析が進行中である。現在までに、圧力1Torrの乾燥酸素中300℃において酸化膜が1分子層形成されるまでの過程を詳細に調べた。その結果、n形の方がp形に比べてより酸化が局所的に進行すること、しかしp形においても酸化が局所的に進行すること、p形の方がn形よりも酸化速度が大きいこと、酸化の進展に伴い界面において水素の脱離、化学吸着が繰返し生ずることなど、全く新しい知見が得られた。酸化温度200℃、300℃、400℃における初期酸化についての測定もほぼ終了し、現在その解析が進行中である。なお、上記の測定の開始前に行なった予備的検討結果からすでに明らかになっていた課題、すなわち酸化の初期過程の詳細な検討を行なうためには、酸化前の試料汚染をできるだけ少なくする必要があるという課題を大気圧からのターボ分子ポンプに切換えるまでの排気をソープションポンプで行なうことにより解決した。その結果、ウエーハの溶液洗浄によってもシリコンの清浄表面の低速電子回折像をとることが可能となった。
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