研究課題/領域番号 |
04452096
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用物性
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研究機関 | 武蔵工業大学 |
研究代表者 |
服部 健雄 武蔵工業大学, 工学部, 教授 (10061516)
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研究分担者 |
野平 博司 武蔵工業大学, 工学部, 助手 (30241110)
秋谷 昌宏 武蔵工業大学, 工学部, 助教授 (60231833)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1993
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キーワード | 水素終端 / シリコン / 初期酸化 / 酸化機構 / 界面構造 / 層状成長 / 界面反応 / 酸化反応 |
研究概要 |
シリコン酸化膜およびSiO_2/Si界面を原子スケールで良質なものとするためには、熱酸化前のSi表面の清淨度と平坦度が優れていることが重要である。Si(111)面の場合には、40%弗化アンモニウム処理が有効であり、Si(100)面の場合には、水素雰囲気中でエピタキシャル成長を行うことが有効である。いずれの場合にも、Si表面が水素で終端され、かつ原子スケールで平坦となる。水素で終端されたSi表面は化学的に安定で酸化されにくくなるので、水素終端法は従来の自然酸化膜による表面安定化法にかわるものとして期待されている。本研究では先ず原子スケールで平坦かつ水素終端したSi(111)面上に1Torrの乾燥酸素中300℃において膜厚0.5nmの酸化膜が形成されるまでの過程をX線光電子分光法(XPS)を用いて詳細に調べた。その結果と酸化過程のシミュレーション結果との比較検討により、酸化は不均一に進行するものの、局所的には酸化膜が層状成長するとして測定結果を説明できることが明らかとなった。しかし、この様な酸化により形成した膜厚0.5nmの酸化膜を介して、同じ酸化雰囲気中600℃および800℃において膜厚が1.7nmとなるまで酸化すると、熱酸化の進行に伴い界面構造が周期的に変化し、熱酸化膜が層状成長することを見出した。詳細な検討によれば、0.5〜0.8nmを臨界膜厚として、それ以下では酸化は不均一に進行し、それ以上では酸化の進行とともに界面の原子ステップの一様な移動のために酸化膜が層状成長することを示唆する知見を得た。この重要な発見の確認を慎重に行ったために金属/Si界面構造の形成およびその価電子帯スペクトルの測定に充分な時間を割くことができなかった。なお、乾燥酸素中1Torr中200℃、300℃、400℃における初期酸化過程の測定から、低い温度ほど酸化が均一に進行することを見出した。
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