研究課題/領域番号 |
04452097
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研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
目黒 多加志 理化学研究所, レーザー科学研究グループ, 研究員 (20182149)
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研究分担者 |
青柳 克信 理化学研究所, 半導体工学研究室, 主任研究員 (70087469)
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キーワード | 原子層エッチング / ドライエッチング / ガリウムヒ素 / 自動停止 / デジタルエッチング / 塩素 |
研究概要 |
表面におけるエッチング反応の吸着・反応・脱離の素過程を把握するために、超高真空デジタルエッチング装置に、液体窒素シュラウドを設けた2段差動排気系を有する四重極型質量分析計(QMS)を取付け、エッチング中にリアルタイムで表面反応を観察できる装置の作成を行った。また、基板表面近傍で極微量のエッチングガスを表面に制御性良く供給できるように、基板に対する距離が可変可能な高速応答バルブを設け、基板に対し再現性良く1ミリ秒以下のエッチングガスパルスを任意のシークエンスで供給することが可能になり、基板温度、印加電圧依存性等の原子層エッチングの反応過程に関する基礎データを蓄積した。さらに、原子層エッチングのデータを基にして、100eV程度の低エネルギーのArイオンビーム照射照射下で、前記の極短パルスをGaAs(001)基板表面に照射することにより、1パルス当たり0.1ナノメートルのエッチング速度が得られるパルスビームエッチングが得られた。これは、自動停止機構は内在していないものの、パルス回数により極精密にエッチング量を制御することが可能であることが確認され、本研究の副次的な成果として原子層エッチングに加え、新しくパルスビームエッチングが出来ることが分かった。また、デジタルエッチングの低損傷化を目指し、KrFエキシマレーザー/Clガス系を用いたGaAsのデジタルエッチングの実験を開始した。詳細な機構は現在検討中であるが、種々のエッチング条件に対し、1シークエンス当たり約0.2ナノメートルでエッチング速度が飽和する領域が見られ、エッチングの自動停止機構が働いていることが確認された。
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