研究概要 |
本研究の目的は、光の超並列情報伝送・情報処理能力を生かした統合型大容量情報処理システム(光コンピュータ)のプロトタイプを並列分散モジュールアーキテクチャに基づいて設計することである.本年度の研究により得られた成果,知見は次のとおりである. 1.分散モジュールシステム設計支援システムをUNIXワークステーション上に開発した. 2.並列分散モジュールアーキテクチャとして,専門機能分担型シテムと機能一様分散型システムの2種類のシステムを仮定し,それぞれにおける処理能力,処理効率を評価した.その結果,前者はシステムの省資源化に適しているが,処理におけるデータ転送のスケジューリングが複雑になる欠点を持ち,後者は,余剰資源が増加するもののプログラムは簡単となるとの知見を得た. 3.並列処理モジュールのプロトタイプとして、光アドレス型液晶空間光変調素子と方解石結晶板を利用した純光学型並列光アレイロジックを試作した.試作システムにおいて,300×100点の2値画像データに対する並列論理演算の実行を確認した.現状では,空間光変調素子の応答速度と空間分解能によりシステムの処理能力が制限されている。 4.並列処理モジュール構成技術としてブロック光学系を考察し,偏光ビームスプリッタを利用した予備実験光学系によりその原理を確認した。また,偏光ビームスプリッタの入射角依存性をもとにして並列処理可能なデータ領域の評価を行い,±10度以内の画角であれば85%以上の光伝送効率が得られることがわかった。
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