研究概要 |
地球温暖化、オゾン層破壊、酸性雨等の地球環境の大気環境問題は現在も緊急を要する研究課題の一つである。本研究の目的は最近開発が進んだ高出力の可変波長固体レーザーを光源として、近赤外に吸収帯を持つ各種の大気分子の分布の差分吸収レーザーレーダーで計測する可能性について研究するものである。 平成4年〜平成5年 2年間にわたる研究により次のような研究成果が得られた。 1.アレキサンドライトレーザーを光源として用い、高度10kmまでの大気中のH_2O分子の差分吸収レーザーレーダーによる計測に成功し、その最適測定条件等について研究を行なった。 2.さらに、広い可変波長性をもつTi:サファイアレーザーを開発し、ラマンシフターと組合せて、赤外部で3.4μmまで連続的に可変波長の新しい光源を開発した。 3.HITRANデーターベースを用い、各種地球環境関連分子の計測可能性について、シミュレーション解析を行ない、CO_2,CO,CH_4,N_2O等のガスの差分吸収レーザーレーダー観測についてその特性を明らかにした。 以上の結果ほぼ当初の目的は達成できた。今後は上の研究成果をもとに、当面メタンガス分布の2〜3μm帯での差分吸収レーザーレーダー計測を実現して行きたいと考えている。
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