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本年度は、複合材料積層板の材料定数を測定に重点を置くこととし、昨年度製作した短冊型の炭素繊維複合材料積層板試験片について、4点曲げ試験および片持ち板の共振試験を行った。実験では、レーザ・ホログラフィ装置のほか光学式変位センサーを使用して変形および振動波形を正確に測定し、仮定した変位関数の妥当性を確認した。また、オートグラフを使用して引張試験を行った。これらの実験から、曲げ剛性、捩り剛性、引張り剛性、およびポアソン比を測定した。この実験法は、古典積層理論によらずに直接的に板の剛性値を測定できるので、C-C複合材料のような先進複合材料に適用できる。なお、本実験法の欠点もいくつか明らかになったので、その適用条件・限界を明示するため追加実験が必要である。
上記の実験で測定した材料定数を用いて、汎用構造解析用プログラムANSYSによる複合材料円筒シェルのはり様曲げ変形および固有振動の数値解析を行った。通常の曲げ変形・振動と違い、断面の偏平化まで表現するためには非線形解析が必要になり計算時間がかかる。特に振動解析では十分な進展をみていない。現在までのところ、線形解析による計算結果と微小変形範囲での実験結果との比較を行い、良好な一致を得ている。
マイラー材の円筒シェル試験片による高精度純曲げ試験は、ほぼその目的を達成したので、データ整理、追試験、文献調査等によるまとめの段階に入った。第1報の原稿を完成した。
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