研究課題/領域番号 |
04452115
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
城野 政弘 大阪大学, 工学部, 教授 (20029094)
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研究分担者 |
菅田 淳 大阪大学, 工学部, 講師 (60162913)
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キーワード | 金属基複合材料 / 疲労強度 / 粉末冶金合金 / 溶湯鍛造合金 / 疲労き裂発生機構 / 疲労き裂進展機構 / 微小き裂 / 寸法効果 |
研究概要 |
溶湯鍛造法および粉末冶金法により製造された2種類のSiC粒子強化アルミニウム基複合材料を用いて、平面曲げ疲労試験を行い、レプリカ法を用いた表面微小疲労き裂の発生ならびに進展挙動の連続観察と走査電子顕微鏡による詳細観察から疲労破壊機構についての検討を加えた。溶湯鍛造法による複合材料では、比較的大きなSiC粒子が存在し、しかも製造時に母材との界面が割れているものがあるため、疲労き裂はその割れを起点として比較的初期に発生し、疲労強度も低下する。それに対して粉末冶金法により製造された複合材料では、疲労き裂はSiC粒子の界面近傍の母材中ですべりにより発生する。そのため比疲労強度は母材に比較して特に低下することはない。き裂の進展は、前者の材料では小数の主き裂が成長するのに対し、後者では主としてき裂先端繰返し塑性域内に発生する微視き裂との合体により進展する結果、巨視的には荷重軸直角方向に進展するが、微視的にはジグザグを繰返し進展する。また、母材中を進展した疲労き裂が強化粒子にぶつかる場合、高応力で比較的大きなSiC粒子であればそれを割って進むが、通常はSiC粒子の界面にそって進展する。なお、本材料の場合でも、微視疲労き裂の進展速度は、通常の金属材料と同様、巨視疲労き裂に対し高い進展速度を示すが、上述のことから余り大きな加速はなく、また、き裂発生応力も高いため、下限界値の減少も小さい。以上の結果、強化粒子を十分小さくし、均一に分布させた粒子分散型粉末冶金金属基複合材料は耐摩耗性のみでなく耐疲労強度材としても十分実用に耐えることがわかった。なお本年度の研究では、走査電子顕微鏡観察画像の直接取込みと画像処理技術を発展させ、き裂発生起点となる介在物あるいは分散粒子寸法分布の極値統計解析から、実部材寸法における疲労強度推定法をも提案した。
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