研究概要 |
光による駆動が可能な光アクチュエータに着目し、光を用いてエネルギーと情報の伝達を同時に行う光エネルギー/情報伝達システムを提案し、光駆動型圧電素子PLZTの光歪現象を利用する光アクチュエータの制御方法について研究した。まず、実験供試体としてLa,PbZrO_3,PbTiO_3の組成をかえ、組成(Pb,La)(Zr,Ti)O_3のPLZT系圧電素子を作成し、アクチュエータとしての応答特性を調べ、応答特性の改善に関して検討を行った。次に、PLZTに紫外線を照射したときの光歪現象による光歪駆動型アクチュエータを試作し、そのサーボシステムの構成方法について検討し、制御性を改善した。主な成果を以下にまとめる。 (1)応答変位を増やすために作成したバイモルフ型供試体の光歪応答特性を調べるため、供試体の両面ヘの紫外線照射実験および加熱実験を行ない、圧電素子(PLZT)の変位を非接触変位センサで、起電流をピコアンペアメータで、PLZTの温度を非接触温度計で測定した。紫外線照射は、波長365nmを中心とする狭帯域幅のスペクトル幅を有する紫外線とし、供試体表面へ微小スポットで照射し、その強度を最大で1200mW/cm^2とした。これにより、バイモルフ型PLZTの特性が明らかになった。 (2)多機能型光エネルギー/情報伝送システムの実施例として、ケーブルレス化した光サーボ系を構成し、その動特性を測定し、位置制御系を構成した。ここで、紫外線照射量の制御に応答性に優れたPWM制御を初めて適用した。両面照射によりPLZTの応答速度が向上し、ヒステリシス特性が大幅に改善できた。
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