研究課題/領域番号 |
04452159
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
酒井 洋輔 北海道大学, 工学部, 教授 (20002199)
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研究分担者 |
菅原 広剛 北海道大学, 工学部, 助手 (90241356)
田畑 昌祥 北海道大学, 工学部, 助教授 (50091476)
田頭 博昭 北海道大学, 工学部, 教授 (10001174)
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キーワード | 二酸化窒素 / 放電分解 / 電離係数 / LID / グロー放電 / 電子付着係数 / 紫外線分解 |
研究概要 |
本計画は、微量のNOxを濃縮し、これを放電ならびに紫外線により効果的に分解することを目的とした基礎研究を行うことである。濃縮方法としては、Light-Induced Drift(LID)効果を用いる。分解とLID実験は並行して行っている。本年度の研究成果を以下に記す。 1)LID実験としては色素レーザならびに半導体レーザを用い、改良型ドリフトチューブ、その他実験系の組立を完了し、現在LID実験をHeガス中に数%添加されたDF_6に対して始めたところである。 2)NO_2の放電プラズマによる分解を定量的に論ずる上で重要な基礎量である、電離係数、電子分離係数を、NO_2ならびにNO_2/He、NO_2/空気混合ガスに対し、定状タウンゼント法を用いて前年度に引き続き測定し、結果の信頼性を上げた。その結果、特にNO_2/He混合ガスの電離係数は、両ガスの電離係数がE/p=200V/cm/Torr付近で交差する関係上、100<E/p<300V/cm/Torrで、両ガスでの値より大きくなるという興味ある結果を得た。 3)2)の結果とN_2Oの電子衝突断面積(測定値あり)を基に、NO_2の衝突断面積をボルツマン方程式解析法によって検討した。この結果はNO_2の放電分解を理論的に取り扱う上での最も重要な基礎量を与えたこととして評価される。 4)放電には必ず紫外線を発するが、これがNO_2の分解に及ぼす効果、ならびに紫外線による分解の可能性を検討するために、NO_2に紫外線を照射し分解を試みた。グロー放電分解と同様に、N_2とO_2に分解することが分かったが、この過程と分解速度は放電による分解過程とは異なることを示唆する結果を得た。詳細については現在研究中である。
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