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1992 年度 実績報告書

ミクロの世界に適合する力伝達機構を集積化したマイクロアクチュエータ

研究課題

研究課題/領域番号 04452161
研究機関東京大学

研究代表者

藤田 博之  東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (90134642)

研究分担者 生駒 俊明  東京大学, 生産技術研究所, 教授 (80013118)
キーワード静動 / マイクロマシーニング / マイクロアクチュエータ / シリコン薄膜 / 弾性変形
研究概要

本研究の目的は、IC技術を援用した半導体マイクロマシーニングで作るμmサイズのアクチュエータ(マイクロアクチュエータ)に、その出力の方向や大きさを変換する機構を組み込むことで、利用範囲を高めることである。しかし、小型化に伴い表面の摩擦の影響が支配的となるため、リンク機構やギヤ等が使用できず、アクチュエータの出力する力や変位をうまく伝達することが難しかった。本研究では、摩擦の影響を全く除くために、全体が弾性的に支持されて、基板の上に浮いている構造で力や変位の伝達と変換を行う。即ち、弾性体の一端を静電力で吸引することで全体を変形させ、他端に望みの大きさや方向の出力取りを出すのである。
(1)アクチュエータの設計:
上記のような目的にかなうアクチュエータとして、一端を固定したひし形の弾性変形体と、固定端の両隣の頂点に付加した平行平板形静電駆動部に電圧を加え、ひし形弾性構造の両端を外側に引き付ければ、固定端と向かい合う頂点が内側に引き込まれる。つまり、静電力の向きと直交する方向の変位が得られる。また、固定端におけるひし形の頂角を90度より大きくすれば、変位を拡大することができ、90度より小さくすれば、力を増大することができる。ひし形の辺の長さと幅、静電駆動部の長さとギャップ長などを変化し、良好な動作を期待できる設計値を得た。
(2)マイクロマシーニングプロセスの検討とアクチュエータの製作:
上記で設計したアクチュエータを実現するためのプロセスを検討し、多結晶シリコン薄膜をドライエッチングする方法を考えた。このプロセスを用いて、アクチュエータを試作し、電圧を加えて動くことを確かめた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 竹島 尚弘、小林 大、藤田 博之: "分散型マイクロ運動システムの提案" 平成3年電気学会全国大会.

  • [文献書誌] M.Ozaki,K.J.Gabriel,N.Takeshima,J.Takahashi,H.Horiguchi,H.Fujita: "Normal Electrostatic Force Parallelogram Actuator" Technical Digest of The 10th Sensor Symposium. 33-36 (1991)

  • [文献書誌] N.Takeshima,K.J.Gabriel,M.Ozaki,J.TakahasHi,H.Horiguchi,H.Fujita: "Electrostatic Parallelogram Actuators" TRANSDUCERS ′91. (1991)

  • [文献書誌] H.Fujita: "IC-fabricated Microactuators" Nonlinear phenomena in Electromagnetic Fields. 429-432 (1992)

  • [文献書誌] 藤田 博之: "半導体技術によるマイクロマシン" 材料と環境. 第41巻6号. 415-422 (1992)

  • [文献書誌] 江刺 正喜、藤田 博之、五十嵐 伊勢美、杉山 進: "マイクロマシーニングとマイクロメカトロニクス" 培風館, (1991)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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