研究課題/領域番号 |
04452168
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
長谷川 文夫 筑波大学, 物質工学系, 教授 (70143170)
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研究分担者 |
坂本 邦博 電子技術総合研究所, 電子デバイス研究部, 主任研究官
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キーワード | Si-MBE / Si / Ge歪超格子 / サーファクタント / B吸着 / HBO_2 / 表面偏析 |
研究概要 |
Si/Ge歪超格子を作製する際にGeが表面偏析し、界面急峻性が劣化してしまうことを防ぐため、Ge上にSiを成長する前にサブMLのホウ素(B)をサーファクタントとして吸着させておくことでGeの表面偏析を抑制することを考えた。 Si-MBEでは高融点の単体Bを蒸発させることが難しいので、まずSi-MBEで使用可能なHBO_2をSi(111)表面へ照射する事でBのみを吸着できるかどうか検討した。その結果、基板温度700℃以下でHBO_2を照射した場合には基板表面におけるHBO_2の分解及びBの吸着過程でSi表面の酸化が同時に進行してしまうが、基板温度700℃以上ではBのみを吸着させる事ができ、かつその際のRHEED強度変化を観測する事でBの吸着量が制御出来る事が分かった。 次に上述の方法でBを0〜1ML吸着させたSi(111)表面上にSiを成長し、その際のRHEED強度振動を観測する事で吸着BがSiのMBE成長に与える影響、及びSi成長中のBの表面偏析挙動を検討した。まず基板温度450℃でB吸着面上にSiを成長した結果、初期B吸着量が1/3ML以上の表面にSiを成長した場合、成長初期に通常の2倍の4ML周期のRHEED強度振動が数回観測され、その後通常の周期に戻った。これは表面に偏析してきているBが1/3ML以上の間はSiが通常の2倍の4ML高さの二次元島の形成によりラフ・フラット成長をしているためであることがわかった。またBの表面偏析の基板温度依存性を検討したところ、基板温度600℃以上では表面偏析性が急激に高まることが分かった。このことはSi/Ge超格子作製時のサーファクタントとしてBが有効である可能性を示す重要な結果であると考えられる。
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