研究課題/領域番号 |
04452173
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
内山 晋 名古屋大学, 工学部, 教授 (40023022)
|
研究分担者 |
羽根 一博 名古屋大学, 工学部, 助教授 (50164893)
岩田 聡 名古屋大学, 工学部, 助教授 (60151742)
綱島 滋 名古屋大学, 工学部, 教授 (80023323)
|
キーワード | 磁性多層膜 / 磁気光学効果 / 光磁気記録 / 磁気弾性異方性 / 磁気異方性 / 磁歪定数 |
研究概要 |
光磁気記録は、フロッピーディスクなど従来の媒体可換の記録媒体に比べて桁違いに高い記録密度を得ることができるが、今後のディジタル画像情報の記録などへの要求を考えると、よりいっそうの高密度化が望まれる。本研究では、短波長レーザで記録・再生のできる超高密度記録材料としてコバルトと貴金属の多層膜およびネオジウム系多属膜をとりあげ、その磁気光学効果や磁気異方性の物理的起源を探るとともに記録媒体としての特性向上を計った。まず、コバルト/貴金属多層膜については、その磁気異方性の起源の1つと考えられる磁気弾性表面異方性について詳細な実験と考察を行った。多層膜についてこの異方性の寄与を調べるためには、第1にPdCo等の合金の磁歪定数を知る必要があるため、これらの合金薄膜をスパッタ法で作製し、磁歪定数λ111とλ100をトルク磁力計を用いて評価した。さらにPd/CoおよびPt/Co多層膜の磁歪定数も測定し、合金膜のそれと合わせて検討した結果、多層膜の界面に数原子層程度の合金層が形成されていることが分かった。また多層膜のモデルを用いた計算機シミュレーションで各層の歪を評価し、磁歪定数と合わせて磁気弾性表面異方性を見積ったところ、実験値と非常によい一致をみた。ネオジウム系の多層膜については、CoFe層とGdNd層を積層した多層膜が光磁気記録材料としてよい磁気特性を示すことが分かった。またその磁気力一回転角、力ー楕円率を測定し、従来材料であるTbFeCo等と比較検討したところ、青色レーザで記録再生を行う波長域では、Nd系の多層膜の方がすぐれた磁気光学特性を示すことが明らかとなった。
|