研究課題/領域番号 |
04452175
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
佐々木 昭夫 京都大学, 工学部, 教授 (10025900)
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研究分担者 |
若原 昭浩 京都大学, 工学部, 助手 (00230912)
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キーワード | 不規則超格子 / AlP / GaP / AlAs / GaAs / SiGe / Si / 光励起発光特性 / 電流注入発光特性 |
研究概要 |
AlAs/GaAs、AlP/GaP、SiGe/Siからなる3種類の不規則超格子を作製して、その発光機能を対応する規則超格子と比較検討した結果、 (1)バンド不連続量および層厚に与えた不規則度の異なるAlGaAs/AlGaAs不規則超格子に対して、温度消光特性を詳細に検討した結果、バンド不連続量が大きくかつ層厚の不規則度の大きな不規則超格子では、もっとも大きな特性温度が得られ、大きな空間的局在効果が得られることがわかった。(1994年Electronic Materials Conference発表予定)。 (2)平均層厚の異なるAlP/GaP不規則超格子を作製しその発光特性を調べた結果、規則超格子の発光強度が大きく減少する3ML以下の場合においても、強い発光を維持することを明らかにした。また、(1、2、3ML)からなる不規則超格子の発光波長は560nmであり、緑色発光デバイスの高輝度化への応用の可能性を示した。(1994年春期応物発表予定) (3)AlP/GaP超格子を活性層とするダイオードを作製し、室温連続動作の条件下において電流注入発光特性を調べた。この結果、規則超格子、AlGaP混晶層からの電流注入発光より強い発光が、不規則超格子活性層より得られた。(Appl.Phys.Lett.印刷中) (4)SiGe/Si不規則超格子を初めて作製しその発光特性について検討を行った結果、不規則性の導入による発光強度の増大効果が認められた。しかし、この系における発光機構は、伝導帯側のバンド不連続量がきわめて小さいため、不規則の導入による局在効果よりも不規則構造による励起子の閉じこめ効果によることを明らかにした。(Appl.Phys.Lett.印刷中) 以上の結果より、大きなバンド不連続量を有する材料を用い、層厚に与える不規則度を大きくとることにより不規則超格子の発光性能を向上させることが可能であるという設計指針を得たことが、本年度の成果である。
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