研究概要 |
画像の各点に対して複数のフィルタを適用し,それぞれの結果から得られる動きの拘束式を解くことによって動きベクトルを求めるアルゴリズムを研究し,それを高速に実行する専用装置を開発した。装置は、2個のDSPを載せたボードを複数直列につないで作られ、パイプライン処理によって、画像中の動きベクトルを1秒に15回の速さで抽出できる。DSPのプログラムを作成し、処理に用いる最適なフィルタを実験によって決定した。多数のフィルタを用いて、信頼性のある動きベクトルを求め、動きの一様な領域を得る方法を研究した。2枚の画像からでは、重なって見える複数物体の境界があいまいである場合に、より多くの時系列画像を用いることによって、正確にの領域とその運動パラメータを決定する方法を得た。動物体の追跡処理を実シーンに適用した。画像上で対象領域が指定されると、画像の動きベクトルから、各時点の対象の画像上の重心を求めて、カメラのパンとティルトを制御することによって対象を絶えず視野に捉えるように追跡する。このアルゴリズムを専用装置上に実現し、実時間で動物体を追跡できることを確かめた。長い時系列で、途中で運動が変化する場合に対処するため、動きの記述の長さを最少にするという評価基準(MDL基準)を用いて、最適な画像の分割と時間的な運動の分割を行う研究をした。最初にある程度長いエッジを求めておき、その動きと分割をMDLに基づいて行い、さらにその結果を用いて、長い時系列での動きの記述を定義し、最適な空間的時間的分割を行えばよいことを明らかにした。
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