研究課題/領域番号 |
04452197
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
雨宮 真人 九州大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (90202697)
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研究分担者 |
日下部 茂 九州大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (70234416)
鶴田 直之 九州大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (60227478)
峯 恒憲 九州大学, 教養部, 講師 (30243851)
谷口 倫一郎 九州大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (20136550)
日高 達 九州大学, 工学部, 教授 (30037931)
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キーワード | 超並列処理 / 協調処理 / 自然言語理解 / 並列意味処理 / 並列構文解析 / 活性制御 / 曖昧性解消 / 並列形態素解析 |
研究概要 |
本研究では、超並列処理原理に基づく自然言語意味理解・処理システムの基礎的研究を行なう。具体的には、10^<4〜6>程度のプロセッサからなる超並列マシンを前提として考え、日本語を対象として、状況意味理解を中心とした日本語会話を行なうシステムのモデル化とそのモデル実現法の研究を行なう。本研究の中心は意味ネットワークを用いた意味解析、曖昧性解消の過程のモデル化であるが、本研究ではこれを超並列処理によって、可能な意味候補を並列に処理しながら、状況(文脈・談話環境)情報を用いて次第に妥当な意味を推定し抽出していく並列意味処理モデルを具体化すると共に、形態素、構文、意味、状況の各解析プロセスを超並列に実行させて、意味の妥当性を判断しながら的確な意味抽出・理解を行なう日本語実時間会話システムの具体化を目指す。 本年度は、以下の項目について重点的に研究を進めた。 (1).並列構文解析アルゴリズム、並列形態素解析アルゴリズムを組み込んだ並列協調意味処理システムのモデル化 モデルのイメージをより具体的にするために、商用のワークステーション上に小規模の疑似並列システムを作成し、構文解析部と意味解析部との協調処理について、様々な実験を行った。 (2).並列意味処理アルゴリズムの具体化 並列意味処理アルゴリズムの基本部分の開発を行った。本意味処理モデルでは、意味ネットワークモデルをベースとして、意味処理の過程で生じる複数の意味候補をその都度、並列プロセスとして生成し、並行処理する。意味候補の優先度は、様々な情報を基に計算され、処理の進行に応じて動的に変化する。活性度がある閾値以下になると候補としての資格を失い、そのプロセスは消滅する。このような意味処理モデルのアルゴリズムを明確化させるために、基本的な意味情報としてシソーラス情報を使用した。この手法において、活性度の制御のために、活性の争奪・抑制・保持・拡散の4つの概念を提案した。 (3).並列協調型の形態素・構文解析システムの、密結合型並列マシン上での実現と評価 市販の密結合型並列計算機上に並列協調型の形態素・構文解析システムを実現し、並列自然言語理解システムを作成するための手法の開発とその評価を行った。
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