研究課題/領域番号 |
04452201
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
内藤 喜之 東京工業大学, 工学部, 教授 (70016335)
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研究分担者 |
安斎 弘樹 東京工業大学, 工学部, 助手 (80212661)
水本 哲弥 東京工業大学, 工学部, 助教授 (00174045)
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キーワード | コヒーレント光回路 / 複素反射率 / 6開口干渉系 / 方向性結合器 / 偏波保存系 / 光ファイバ |
研究概要 |
光通信および光計測など、光信号を扱うシステム、特にコヒーレント光回路系においては、反射の大きさとともにその位相を正確に評価する必要がある。本研究の目的は、光反射率を位相を含めて測定する方法を開発することである。本研究で開発を目指す測定法は、光方向性結合器を用いて6開口の干渉系を形成し、2つの開口に光源と被測定試料を接続し、他の4つの開口に出力される光電力を測定することで、複素反射係数を決定するものである。 平成4年度では、反射係数の大きさを測定するための基本的な測定回路を光ファイバ型方向性結合器を用いて構成し、波長1.3μmにおいて実験を行った。被測定試料は、空気中に開放したファイバ端(反射率約4%)、水(同約1.7%)やマッチングオイル(同0.1%以下)などで、比較的反射率の小さい場合への適用性を中心に検討した。測定結果を理論値と対比し検討した結果、本反射測定法が反射率の小さい場合にも適用可能であることが明らかになった。しかし、位相まで含めた複素反射係数を測定するためには、完全な偏波保存系で測定系を構成する必要があることがわかった。今後、測定系を偏波保存系で最構築し、複素反射係数の測定を行う予定である。偏波保存系を構成する方法としては、偏波面保存ファイバを用いた系と、比較的大きな偏波依存性を実現できる導波路系が考えられる。光ファイバ系で基礎的な実験を行い、集積型光反射係数測定器への発展を検討するために、導波路型の干渉系も製作し、これを用いた実験も行う予定である。導波路型の測定系を用いることにより、測定の安定性向上を図ることができると考える。
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