研究概要 |
本研究は光メモリのための読出しデバイスに光集積回路技術と超分解能の技法を適用して,将来の光メモリのための高性能デバイスの実現可能性を追求することを目的とした基礎研究である.平成4年度は超分解集光グレーティングとプロトタイプヘッドの設計試作・特性測定を重点的に研究し,以下のような成果を得た. (1)光集積ヘッドの超分解特性の理論解析を行い,動特性シミュレーションの技術を確立した. (2)超分解用集光グレーティングの理論設計を行い,この素子をもちいた光集積ヘッドの読出しレスポンスを解析して理論性能を明らかにするとともに,最適パラメータ決定法を明らかにした. (3)並列情報読取り用光集積デバイスにおける超分解能化の可能性について理論的考察を行った. (4)(2)に基ずいた集光グレーティングを精密作製するため既設の電子ビーム描画装置やイオンエッチング装置を改善して設備を整備するとともに作製技術を確立した.また,試作デバイスの特性を測定・評価するための光学実験設備を整備した. (5)導波路型読出しヘッド部に光ファイバを接続した型の光源分離型光集積ヘッドを試作・評価した. (6)試作プロトタイプデバイスによる情報読取り実験を行い,基本的な読出し特性を特性を確認した. (7)試作したデバイスを走査型光学顕微鏡として作動させて,本研究のデバイスが超分解読出しのために重要な特性である共焦点読出し特性を持つことを実験的に確認した。 (8)半導体レーザ光の短波長化(SHG)のためのLiNbO_3導波路SHGデバイスの理論設計を行うとともに,プロトタイプデバイスを試作して予備実験を行い,基礎的な成果を得た.
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