1.防撓材の静的曲げ強度 静的大変形曲げ実験と有限要素解析を行い、防撓材の取付け角(ウェッブ面と板面のなす角)の影響を主にして検討した。試験体は船体の防撓構造をモデル化した帯板に2条のL形断面防撓材を取り付けたもので、この試験体の4点曲げ試験と一部3点曲げ試験を行った。フランジが引張を受ける場合、取付け角によらず最大強度は全塑性モーメントに達する。全塑性モーメントに達した後Brazier現象類似の現象により防撓材が横倒れを起こし強度が低下するが、取付け角が小さいほど強度低下が急速に起こる。フランジが圧縮を受ける場合は防撓材の取付け角により座屈モードが変わる。取付け角が90度〜60度ではフランジとウェッブの局部座屈が支配的であり、座屈後席速の強度が低下する。取付け角が45度では防撓材料の横倒れが支配的で、座屈後の強度低下は緩やかである。座屈強度は、いずれの場合もほぼ全塑性モーメントに達する。有限要素解析結果は、フランジが引張を受ける場合実験結果と良く一致し、圧縮を受ける場合は最大強度は一致するが、座屈モードは実験と一致しない。 2.動的構成式の研究 動的塑性の構成式については、内部時間理論に基づいて、単軸負荷の動的塑性の構成式の定式化と材料定数の決定法について検討した。得られた構成式は、従来の超過応力の構成式と同一形式で、等方硬化の寄与分にはひずみ速度の影響が積形式で考慮され、移動硬化の寄与分にはその成長側の回復項に現れる。比較的簡単な応答曲線となるアルミニウムに対して、ひずみ速度を超過応力のべき乗則で展開する構成式に基づき、等方・移動・混合硬化則を適用し実験結果との比較を行ったが、良好な一致が得られた。また実用上、重要な軟鋼に対して、ひずみ速度を超過応力の指数則で近似する構成式を適用し、軟化部、踊り場、硬化部を含む複雑な実験結果を近似した。
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