本年度は、φ120×H10mmの粘性土供試体に対して実験可能な6連の連結型圧密試験装置を製作し、載荷システムおよびデータ取り込み用のコンピューターシステムを完成させた。 本研究は過圧密粘土の過圧密領域における圧密の構成関係を定式化することを目的としている。そこで最も大切な変位の測定精度をチェックし、2/1000mmの精度で変位の計測が可能であることを確認した。 現在までに実施した実験は、以下のとうりである。 1.除荷を行わない基本実験を行い、これにより正規圧密粘土の基本データが得られた。また、φ62×5mmの供試体に対する従来の連結型圧密試験で得られたデータと比較することにより本試験システムの信頼性を確かめた。 2.除荷・再載荷を行う実験を荷重増分(減分)比を等しくしたものを種々の応力レベルに対して行った。膨潤指数と再圧縮指数はそれぞれ応力レベルによらず、ほぼ等しい値である。また、再圧縮指数の方が膨潤指数より大きい。 3.除荷・再載荷を行う実験において到達応力は等しいが、荷重増分(減少)比を違えた実験を行った。これは、実験中である。 着目しているのは、過圧密領域での2次圧密特性と粘性・塑性・弾性変形成分の分離である。
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