研究課題/領域番号 |
04452225
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
松尾 稔 名古屋大学, 工学部, 教授 (40025937)
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研究分担者 |
菅井 径世 名古屋大学, 工学部, 助手 (50235850)
鈴木 康弘 名古屋大学, 工学部, 助手 (70222065)
大塚 悟 名古屋大学, 工学部, 助教授 (40194203)
浅岡 顕 名古屋大学, 工学部, 教授 (50093175)
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キーワード | 地震動 / 地震加速度履歴 / 安定性評価 / 数値解析 / 動的特性 / 地震災害 |
研究概要 |
地震加速度履歴の中から最大加速度のみをとりあげて、これを静的荷重に置き換えて構造物の安定性を評価する、いわゆる震度法による評価方法の問題点について、静的荷重の載荷方向とその大きさをさまざまに変化させShakedown解析を行うという方法で検討した。その結果、単一方向の静的荷重のみを取り扱う震度法によると、(境界条件にも依存するが)20〜30%程度の過大な安定性を見積もることになることが判明した。これらの問題点を整理した上で、地震加速度履歴と地盤及び土構造物の動的特性を考慮した新たな安定性解析手法を開発した。この手法は、基盤での地震加速度履歴を与える動的応答解析と、荷重方向や大きさの変化する複合荷重下の土構造物の安定性を評価できるShakedown解析の2つを組み合わせたものである。この手法に基づいて、地震入力振動数、地盤の動的特性等をパラメータに、想定されるいくつかの事例について安定性の数値解析を実施した。その結果は予想された通り、パラメータの条件により安定性は大きく異なって評価され、震度法による解析の不十分さが改めて確認された。 今後は新たな解析手法の妥当性を検討することが必要であり、そのための基礎的資料として、過去の地震記録から対象地点の地震履歴を計算する統計的手法について検討した。その際には地震をその発生機構によってプレート境界型と活断層型に分類し、周期性を別々に検証した。また、歴史地震時の被災記録を整理することにより、震源断層近傍の地震動の大きさについても再検討を加えた。以上の結果は、次年度以降の検討のための重要な資料となる。
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