研究概要 |
東京都足立区の海成地盤(有楽町層)および羽田沖の海底土のボーリング・サンプリングを行い,また大阪湾ではピストンコアラーおよびスミス・マッキンタイヤー型サンプラーを用いて海底土試料を採取した。これら試料の炭酸カルシウム,.金属含有量(Al,Fe,Mn,Cu,Ti,V,Ba,Zn,P),土粒子密度,粒度分布,液性限界,塑性限界および一軸圧縮強さまたはベーンせん断強さなどを測定した。その結果についてまとめ,大きくは(1)炭酸カルシウムが地盤の密度と強さに与える影響,(2)炭酸カルシウムの深さ分布による地盤の層序学的考察,(3)陸上および海底地盤の重金属汚染,の3つの観点から考察を加え,土質工学会主催の第1回環境地盤工学シンポジウム(2編)および第29回土質工学研究発表会(2編)に合計4編を発表の予定である。なお,平成4年度の成果については本年度発表した。 また,海底における土粒子の堆積環境について,これまでの炭酸カルシウム含有量の測定結果を検討し,炭酸カルシウム含有量から堆積速度の推定方法を確立し,東京湾,大阪湾および瀬戸内海における炭酸カルシウム含有量,堆積速度および海底地形の関連性について論文を作成した。これについては,現在投稿中である。 これらのほかに,土佐湾沖の海底表層土を採取し,炭酸カルシウム含有量を測定した。その結果については,堆積環境の観点から現在解析中である。また,炭酸カルシウムノジュールの形成機能については,いまだ検討中であり,公表の段階に至っていない。
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