研究課題/領域番号 |
04452231
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
吉田 静男 北海道大学, 工学部, 助教授 (30001324)
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研究分担者 |
西田 修三 八戸工業大学, 工学部, 助教授 (40172663)
大谷 守正 北海道大学, 工学部, 助手 (90001320)
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キーワード | 河口流 / 河口密度流 / 二層流 / 多層流 / 塩分拡散 / 塩水楔 / 連行係数 / 界面波 |
研究概要 |
本年は当該研究の初年度にあたる。研究は予定通り石狩川での野外観測を通して行なわれたが、年度途中で研究に直接関連するトロント大学との共同研究も行なわれ、初年度でありながら大きな成果をあげることができた。 野外観測においては、河川各所での塩分が風速といかなる関係にあるかを明らかにするために、表層塩分を2ケ月間にわたって連続観測するとともに、次年度に本格的に実施を予定しているLDVによる乱流計測の予備的観測も実施した。後者については、観測日に出水があり、予定の位置まで塩水楔の侵入がなかったため、下流部の1地点観測となったが貴重なデータ収集ができた。前者についてはきわめて満足すべき結果を得た。その成果は3月に発行される水工学論文集に発表されている。その主な結果は、上下流2地点での表層塩分の時系列はきわめてよく似ており、上流の時系列パターンがそのままの形で下流に到達すること、そのパターンの移動流下速度は0.55m/sであること。連行係数は風速Wと流量Qが長時間にわたり1定値をとるときは(少なくとも12時間にわたって一定である必要がある) K=(3.8-0.013Q)W×10^<-6> で与えられること、表層塩文の縦断分布は塩水楔先端からの距離にほぼ比例して塩大すること等である。 一方、トロント大学との共同研究により、石狩川のようにところどころ中間密度層が形成されて3層流をなす場合の界面波の発生について実験的に明らかにされた。その結果は、C.P.Canlfieldの理論計算が示す3つのモード、すなわち、Kモード、Holmboeモード、Rモードが現実に発生し混合に、それぞれ異なる寄与をすること示唆している。今後は、野外での同モードの存在を明らかにしてゆく必要がある。
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