研究概要 |
本年度は本研究の最終年度に当り,前年度に先送りされた観測の遂行と全観測結果の解析,総括,報告書の作成を行った.今年度の具体的な計画と遂行内容は以下の通りである.1.4〜6月計画の立案と検討 2.7月〜8月 石狩川下流域の5地点に自記表層塩分水温計を設置し2か月間にわたる観測を実施した.8月7〜8日には2地点の河道中央に観測塔を設置し24時間観測を遂行した.また,初めて,30kmにおよぶ塩水楔の間断のない縦断観測に成功した.24時間観測の内容はレーザ流速計による2次元乱流計測,電磁流速計による表層流速の観測,上層の鉛直2点における塩分の計測,全水深にわたる塩分と濁度の鉛直分布の測定,表面波高の測定,風向風速の測定などである.測定結果はデジタル,アナログデータレコーダに収録された.3.9〜11月 上記の観測データを解析した.吉田はバックグラウンドデータの収集,西田は電磁流速計および乱流計測データのコンピュータ解析,大谷は濁度の解析を遂行した.4.12〜2月 観測データをもとに研究組織全員または適当な分担により考察を進めた.考察の結果以下の結論を得た. (1)塩水楔平均の連行係数は次式で与えられる.E=1.92×10^<-6>e^<0.405W> for 118m^3/sec,E=2.44×10^<-6>e^<0.281W> for 146m^3/sec (2)風速の増加 波浪を発生 上層流れ内の乱れの増加 上層塩分分布の一様化 界面近傍の密度勾配の増加 表層塩分の増加という塩分の拡散過程が確認された. (3)平均流速場の流れは,ほぼ,全域で安定である. (4)風速データを与えるだけで任意の地点,任意の時刻の表層塩分がきわめてよい精度で予測できる. 5.3月 研究報告書の作成.
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