1.高速度パソコンによる衛星データ解析設備を実現した。 2.これを使って、NOAAデータのベースを構築している。1988年夏からのNOAA/APT直接受信データおよび1974〜1987年のNOAA/HRPT印画紙データのディジタル化データが、光ディスク内に蓄積されている。 3.これらのデータは随時呼び出され、その画像解析をもとに1974年以降の日本列島周辺海洋乱流場の組織的渦構造の時系列的振舞いが記述され始めている。 4.日本海およびオホーツク海の閉鎖海域においては、組織的渦構造が周囲の海岸線の幾何形状によってlockされていること、したがって渦構造の出現形態の再現性が高いことが示された。 5.海岸線幾何形状によるlockingには、いくつかの離散モードの存在することが示された。 6.精密幾何補正された約6時間の時間差を有する2枚1組のNOAA/HRPTデータをもとに、シーマーク法の適用によって列島周辺海洋乱流場の海面流速場の定量的計測を行なった。 7.これによって、従来はNOAA画像の定性的判読によって検出されていた渦のパターンが、たしかに流れ学にいうところの渦のプロセスであることが裏付けられた。 8.黒潮に面した串本港および浦神港の潮位および潮位差時系列データのwavelet解析を開始した。 9.得られたwaveletsはNOAAデータ、海上観測データおよび大気データと総合された。 10.それをもとに、黒潮変動が回転系乱流境界層内の組織的渦構造によってもたらされることを明らかにした。 11.地球自転を考慮した回転系乱流場の基礎実験によって、これらの組織的渦構造のプロセスの裏付けを得た。
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