研究課題/領域番号 |
04452239
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
飯田 恭敬 京都大学, 工学部, 教授 (10026114)
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研究分担者 |
高山 純一 金沢大学, 工学部, 助教授 (90126590)
宇野 伸宏 京都大学, 工学部, 助手 (80232883)
内田 敬 京都大学, 工学部, 助手 (60203535)
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キーワード | 交通管制手法 / 高度交通情報システム / 路車間通信システム / 経路選択行動分析 / SPデータ / 動的交通流モデル / シミュレーションモデル / モデルの動学化 |
研究概要 |
社会経済活動の高度化に伴う移動時間の正確性と安定性に対する高水準の要求に応えるため、動的情報提供による交通管制手法が着目されている。路車間通信を介して、リアルタイムな旅行時間情報をドライバーに提供し、利用経路を分散誘導し、渋滞の緩和解消を図る高度交通情報システムは、その中心的方策である。ただし、実効性の高いシステムの構築には、情報と交通行動の関係法則の把握及び情報提供効果の評価を行い、その結果をシステムの設計、特にソフトウェア面の設計に反映させる必要がある。 そこで本研究では、提供情報の適否を検討可能なシミュレーションシステムの構築を試みた。このシステムでは、情報提供時の利用者行動、フローの時々刻々の変動、交通状態に応じた情報提供を、各々経路選択モデル、交通流モデル、情報提供モデルにより記述する。各モデル間の相互関係を明示的に取り扱うことで、動的情報提供時のフローの変動を予測し、情報提供効果の定量的評価を試みる。非集計レベルの経路選択行動を明示した点、意思決定における走行経験の影響を考慮した点、モデルを動学化した点が本研究の特徴である。 平成5年度は、前年度に開発した経路選択モデルと、本研究グループが開発を進めてきた動的交通流モデルを融合し、上記のシミュレーションシステムを構築した。数ケースの数値実験の結果、このシステムは多様な経路選択原則に則り行動するドライバーの存在を想定した上で、旅行時間の点から情報提供の影響を評価可能であることを確認した。情報の質等を体系的に変化させたシミュレーション実験を行い、情報提供の影響の把握を試みた。その結果、次の様な知見を得た。(1)情報利用可能なドライバーの増加とともに、旅行時間は全体的に減少するが、情報利用の直接的メリットは減る。(2)質の低い情報の提供は、交通状態の悪化を招く危険性が高い。
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