研究課題/領域番号 |
04452247
|
研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
森野 捷輔 三重大学, 工学部, 教授 (00027278)
|
研究分担者 |
川口 淳 三重大学, 工学部, 助手 (50224746)
畑中 重光 三重大学, 工学部, 助教授 (00183088)
|
キーワード | コンクリート充てん / 角形鋼管柱 / 立体架構 / 耐力 / 変形能力 / エネルギ吸収能力 / 柱破壊 / 接合部パネル破壊 |
研究概要 |
コンクリートを充填した角形鋼管の柱は、コンクリートによる鋼管の局部変形の抑制や、鋼管によるコンクリートのコンファインド効果・剥離防止など、両者の相互作用による力学的利点をもった、耐力・靭性ともに優れた構造部材であるが、冷間成形角形鋼管を用いた柱はり接合部の脆性破壊や、柱はり接合部近傍におけるコンクリートのコンファインド効果など、架構として未解明の問題もある。本研究は、冷間成形角形鋼管にコンクリートを充填した柱にH形鋼はりを配した立体架構、特にこれまで研究資料がほとんどない、側柱・隅柱周辺架構を対象にして、耐力・変形能力に及ぼす3次元載荷の影響を調べ、破壊形式や柱・はり構成形式の異なる架構の終局限界状態を解明することを目的とした実験的研究である。実験の載荷条件は、立体架構試験体柱に一定軸力と長期荷重に相当する一定のはり端鉛直力を加えた後、直交する構面のはり端に地震力に相当する鉛直力を漸増変位振幅下で正負交番繰り返し載荷した。実験変数としては、軸力比、柱・はり構成形式(側柱・隅柱)、長期荷重の許容値に対する比、および破壊形式(柱曲げ破壊型、接合部パネル破壊型)が選ばれている。実験の結果から、(1)接合部パネル破壊型の中柱架構・外柱架構の最大耐力は、パネルの終局せん断耐力の計算値を大きく上回り、やがて柱鋼管に局部座屈が発生するため、柱破壊型も含めて試験体の最大耐力は、いずれも柱の終局曲げ耐力の計算値と一到すること、(2)外柱架構の試験体の履歴挙動を中柱架構の対応する試験体と比較すると、前者には耐力の低下がみられ、その耐力の低下は柱破壊型において顕著であること、(3)変形能力は接合部パネル破壊型の試験体が柱破壊型の試験隠よりも高く優れていること、(4)立体架構試験体の破壊形式は、いずれも柱鋼管の局部座屈に起因する架構の変形性状に左右されること、などの知見を得た。
|