研究概要 |
本年度は,大規模都市施設の周辺における地域施設の分布実態を調査分析し,地域施設が発生する可能性を組込んだインフラ空間のデザインの構成手法を提示することを目的として,以下のような研究を行った. 1.各種施設の分布特性に関する実態調査: 主として鉄道駅とショッピングセンターの周辺地域を対象として地域施設の分布実態を調査した.加えて,その他の大規模都市施設の周辺における実態調査も行った。そして,大規模施設が各種の施設発生に及ぼす影響の範囲はおよそ300m程度の徒歩圏内であること,その分布特性は大規模施設からの距離が大きくなるにつれて施設密度が減少する[低減型]であることが多く,時間の経過に伴い低減型に該当する業種は増加することが明らかになった. 2.施設形態と立地に関する分析: 調査したデータを用いて多変量解析の手法を使って,鉄道駅ならびにショッピングセンター周辺における各種施設の立地特性を分析した.その結果,施設発生を説明する指標には,周辺人口,用途地域,幹線道路の有無,大規模都市施設からの距離が有効であることがわかった.加えて,新たに大規模都市施設が立地する場合におけるシミュレーションを行った. 3.発生施設と街路等のインフラ空間の関係に関する調査分析と街並みの構成手法の検討: 施設発生を起因とする様々な周辺環境への影響を観察,実測,映像撮影,現地アンケート等により調査分析し,空間的,制度的に解決すべき問題点,計画基準,街並みの構成手法等を検討した.
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