研究概要 |
前年度までに,鉄道駅周辺や大規模ショッピングセンター周辺における施設発生状況が「周辺の人口」「用途地域」「幹線道路の有無」「施設発生の核となる施設(以下,核型施設)からの距離」の四つの指標でよく説明されることを明らかにした。今年度の研究成果は,以下のとおりである。 1.複数の核型施設が近接している場合の施設発生量や発生範囲を調査し,核型施設相互の干渉による施設発生からみた影響圏の方向性とその範囲を明らかにした。 2.宅地化が十分進行していない郊外に開設され,現在まで近くに鉄道駅および同種の核型施設が存在しない郊外型ショッピングセンターを大阪府下から選定し,10〜20年間の周辺の施設分布の変化を追跡した結果,ショッピングセンターの影響で発生した施設と消滅した施設の業種とその分布を明らかにした。 3.前年度に確立した施設立地予測モデルを用いて,周辺の施設分布が少ないが将来の発展が期待される中規模の鉄道駅の周辺地域を対象に,駅周辺に発生する施設のおよその位置と業種を予測した。 4.予測結果をもとに,将来発生することが予想される都市環境上の問題点ならびにその対策を検討した。 今年度までの結果から,施設発生からみた鉄道駅およびショッピングセンターが周辺地域の施設発生におよぼす影響とその範囲を明らかにすることができ,地域開発の核となる施設の影響をあらかじめ織り込んだ街路計画や街並みのデザイン計画に有効な知見を得た。
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