研究課題/領域番号 |
04452260
|
研究機関 | 神戸芸術工科大学 |
研究代表者 |
鈴木 成文 神戸芸術工科大学, 芸術工学部, 教授 (60010667)
|
研究分担者 |
日色 真帆 神戸芸術工科大学, 芸術工学部, 助手 (50222237)
三上 晴久 神戸芸術工科大学, 芸術工学部, 助教授 (80229658)
齊木 崇人 神戸芸術工科大学, 芸術工学部, 教授 (90195967)
|
キーワード | 建築教育 / デザイン指導 |
研究概要 |
建築及び環境デザインの指導に関し、神戸芸術工科大学における環境デザイン実習において、その学生(1学年定員80名)を対象にいくつかの試みを行い、その状況を記録し、成果と問題点について考察した。 (1)課題プログラム編成では、小から大、私的から公共的といったオーソドックスな順序をとらず、小→大→小といった振幅の大きい順序、また比較的初期に公共的、複合的群建築の課題を課すなどを試みた。成果についてはまだ必ずしも明らかではないが、おおむね良好である。ただし、初期の2年次は段階的に構成し、3年次以降に変化をつけるのがよいとする意見もある。 (2)種類の異なるA・B課題を異なるグループに対して同時並行的に課し、次にはこれを交替して課すという方式は、多人数学生を教育する場合には有効である。 (3)デザイン指導は本質的に学生個人々々に対する一対一の指導にならざるを得ない。学習の初期には課題ごとに重点的習得テーマを定めて指導することもありうるが、デザインの総合性、学生の能力差などから、これにも限界がある。初期には学生を少人数(20人程度)に分割して担当するという方式が有効である。 (4)作品の講評では、学生各人に口頭説明を行わせることは必要であるが、人数の多さから講評会が長時間に亘り緊張感を保ちにくい。一方、少数の代表作のみを講評することも、個人指導の実を挙げにくい。多人数を対象とする場合は、講評を興味あるイベントとする演出が必要である。 (5)作品をある期間掲示して学生の目に触れさせることは、評価を共有のものにする意味で有効である。 (6)スタジオ(設計製図室)の空間構成については、低学年(2年次)は比較的オープンに、高学年ではやや小空間に区分する等の変化をつけること、上下の学年の接触を多くすること、作品展示の場を設けること、スタジオを訓練の場としての雰囲気を持たせること(禁煙、清掃、壁面構成等)などが重要である。
|