研究課題/領域番号 |
04452279
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
松木 賢司 富山大学, 工学部, 助教授 (10019193)
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研究分担者 |
高辻 則夫 富山大学, 工学部, 助手 (20143844)
時澤 貢 富山大学, 工学部, 教授 (50019171)
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キーワード | 高速超塑性 / アルミニウム基複合材料 / 炭火珪素粒子 / メカニカルアロイング / 微細結晶粒 / 破断伸び / m値 / しきい応力 |
研究概要 |
1.複合板材の製造法:(1)SiC粒子を体積率で5%,10%及び15%含む3種類の7075Al複合材圧粉体は、温度500℃、ひずみ速度約5x10^<-1>s^<-1>で高速圧縮することによって厚さ5mmの健全な厚板とすることができ、(2)その後、5%と10%SiC複合材は温度250℃で、また15%SiC複合材は350℃で温間圧延する事により厚さ1.5mmの板材とすることが可能である。 2.引張試験特性:(1)5x10^<-1>〜3x10s^<-1>の著しい高ひずみ速度範囲に於て、m値が約0.36以上の高い値を示し(領域2)、その領域2で各複合材は200%以上の最大伸びを示した。それより低ひずみ速度ではm値が0.13以下となる領域1が存在した。(2)SiC粒子体積率が増すと、領域2及び最大伸びを示すひずみ速度が高ひずみ速度側に移行し、また変形応力としきい応力σ_<th>が高くなった。(3)各複合材の有効応力σ_e(=σ-σ_<th>)とひずみ速度の値を両対数で整理して得た直線関係では、勾配(n値に相当)が約2となった。この値は、転位運動で調整された粒界すべり超塑性機構で予測された値に対応している。 3.微視組織変化:(1)TEM組織観察の結果、変形前の平均結晶粒径で1μm以下の微細結晶粒組織は、変形にともないやや粒成長の傾向が認められる。(2)SEMによる表面組織観察の結果、領域2では領域1におけるより、粒界すべりが著しく多くの粒界で起こることが分かった。 4.複合材料の高速超塑性の主要な変形機構は、転位運動で律速された粒界すべりに基づくものであり、SiC粒子の粒界すべり抑制作用によってσ_<th>を生じたと考えられる。このような観点で、今後、固相線より僅かに高い温度で変形し、生じる液相を利用による超塑性特性改善効果に関し検討する必要がある。
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