研究課題/領域番号 |
04452289
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
岸原 信義 佐賀大学, 理工学部, 教授 (40003769)
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研究分担者 |
岩尾 雄四郎 佐賀大学, 理工学部, 教授 (80039289)
鬼塚 克忠 佐賀大学, 理工学部, 教授 (20037948)
山口 伊佐夫 東京農業大学, 農学部, 教授 (30011836)
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キーワード | 土砂流出 / 斜面崩落 / 土石流 / 斜面の安定 / 間隙水圧 / 地下水位 / 地温 / 実効雨量 |
研究概要 |
雲仙普賢岳の火山活動に伴う島原市眉山の山体挙動に関しては次の二つに大別して検討する必要がある。一つは火山活動に伴う地殼変動により発生する可能性がある眉山巨大崩壊であり、他の一つは寛政4年に発生した巨大崩壊跡地からの斜面崩落とそれに伴う土砂流出である。このタイプの斜面崩落はほぼ毎年発生し、下流島原市に多量の土砂を流出させている。本研究は、主として後者の斜面崩落と土砂流出を研究の対象としている。(1)眉山山体の斜面流域を対象に林相・林令と土砂堆積(特に土石流堆積物)を調査し植生遷移の中断・再開の時期の推定から約200年間にわたる土砂流出の履歴と分布を推定した。(2)昭和22年の米軍による空中写真撮影以降の空中写真から豪雨・地震などによる災害前後の9種類の写真により、源頭部・流下部・堆積部の面積を読み取り、誘因と災害面積との関連を検討した。(3)平成元年の無人ヘリ、平成5年のセスナによる撮影の写真により主として眉山3渓の土砂流出の経時変化を調査し、平成4年8月と12月実測の調査結果と対比した。(4)眉山(七面山)の山体挙動監視カメラは電話回線を通じて、天狗山の山体挙動はNHK長崎放送局のカメラによる画像データはビデオテープに収録されている。これらの画像データの災害誘因(豪雨・地震など)発生前後の解析により誘因と斜面崩落との関係を究明する予定である。(5)今年度購入した水温・水質計による調査により判明した熱水上昇域の眉山山体域における分布の有無・分布域の確定などのために熱赤外探査を行うと共に眉山山体内10か所で温度計を設置し、観測を開始している。これは平成4年に島原市内に設置した29か所の地中温度・水温・水質観測結果と対比させながら解析を行う予定である。
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