研究課題/領域番号 |
04452294
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
横瀬 広司 香川大学, 農学部, 教授 (30035977)
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研究分担者 |
糸山 東一 香川大学, 教育学部, 教授 (00035875)
山田 宣良 香川大学, 農学部, 助手 (90035999)
弥永 孝一 香川大学, 農学部, 助教授 (60035996)
西山 壮一 香川大学, 農学部, 教授 (80036045)
青柳 省吾 香川大学, 農学部, 教授 (90036046)
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キーワード | みかぶ(御荷鉾)変成岩 / 破砕帯地すべり / 保水・透水特性 / 粒度組成 / 土性改良 / 風化土 / pF値 / N値 |
研究概要 |
四国中央部の山地に広く分布する破砕帯地すべり地の土壌は、地質構造・岩石構造上で風化されやすい素因を有していることに加えて、母岩自体が深部まで破砕されて粘土化が著しいことが特徴である。 中でも、みかぶ(御荷鉾)変成岩の風化土は同じ破砕帯土の三波川土に較べて、粘質で堆積が厚く、特徴ある緩斜面を形成し、農耕地や住居地として利用されやすい。しかし、土性は平常でN値が20以上の強固な地層が給水によって容易に弱体化するといった、性状が極端に変動するものであり、地すべりなどの防災対策上で厄介な問題を抱えている。 本研究は、このようなみかぶ(御荷鉾)変成岩風化土の特性について、母岩自体の脆弱性と風化土の水分保持特性の2っの面を中心に、その特性を明らかにして、土圧・水圧などの外力による土塊の性状変化の傾向を把握、さらに、これらの結果を地すべりや斜面安定対策工への摘要を検討した。母岩の持つ脆弱性に関しては、衝撃力や静的圧力など加圧の条件を変えた外力を試料に加え、その結果の評価を粒度組成の変化の数量的表示で求めて、その傾向を検討した。粒子の細粒化は特定部分の集中的な細化ではなく、粒径幅全体に亘っていることか認められ、母岩自体が全面的に変質し弱体化していることが明らかとなった。細化の阻止も含め、土壌の安定化を図った土性改良剤による固化の実験では、粒子骨格の補強の効果が大で、粗粒化と粒子同志の接着を進行させた。 風化土の保水・透水特性については、遠心載荷によるpF値変化の計測を主体に検討した。保水能は粘性土に低く、しかも水分排出量以上に間隙減少があること、粗粒子割合が高いのに、自由水が存在する粗間隙の量の少ないことが明らかになり、これらに土性改良が土壌保全対策の問題点として示された。
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