研究分担者 |
高部 英明 大阪大学, レーザー核融合研究センター, 助教授 (20150352)
北川 米喜 大阪大学, レーザー核融合研究センター, 助教授 (40093405)
山中 正宣 大阪大学, レーザー核融合研究センター, 助教授 (10029118)
中井 光男 大阪大学, レーザー核融合研究センター, 助手 (70201663)
田口 俊弘 摂南大学, 工学部, 助教授 (90171595)
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研究概要 |
スピント陰極に代表されるニードルカソードからの電子ビームを用いるチェレンコフ過程を利用したマイクロ自由電子レーザーの設計をおこなった。概念設計では,高屈折率の誘電体中のマイクロチャネルに電子ビームを導入することにより近赤外光の発振の可能性を検討した。すなわち,誘電体導波管中の固有モードのうち,TMモードを選択し,電子ビームとの相互作用による誘導チェレンコフ放射の増幅率を求め,発振可能性を明らかにした。屈折率が2の誘電体では,電子ビームのエネルギーは100kev程度でよいが,電子ビーム半径は,波長10μmの発振に対しては5μm以下が要求されている。増幅率は電子ビーム半径r_bの増加とともに指数関数exp(-2kr_b)比例して減少する。ここに,k〜__-2π/λでλはレーザー波長である。また,電流は0.5mA程度が必要であり,電子ビームの要求輝度は10^<12>A/m^2rad^2と見積られている。 発振過程のより詳細な解析のため,チェレンコフ放射に関する粒子シミュレーションコードを開発した。シミュレーションコードにより,より正確な発振条件を明らかにすると同時に,飽和状態でのレーザー出力の予測も明らかになった。 実験のための準備もすすめており,電子顕微鏡用のニードルカソードを用いた予備実験を来年度には実施する予定である。スピント陰極のサンプルを入手済みであり,それによる電子放出,伝播実験を実施するための準備もすすめている。 電子ビームの収束径はもっとも重要なパラメーターであるため,収束用磁界のもとでの電子ビーム伝播の数値解析を進めている。ニードルカソードでの電位分布を求め,電子の加速の様子とガイド磁界中での電子ビームの半径の計算が可能になっている。
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