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1992 年度 実績報告書

南極氷床コアに含まれるクラスレート水和物結晶の構造と生成過程に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 04452320
研究機関北海道大学

研究代表者

本堂 武夫  北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (60109494)

研究分担者 後藤 明  北海道大学, 工学部, 助手 (20205587)
キーワードクラスレート水和物 / 氷床コア / 結晶構造 / 結晶成長 / X線回折 / ラマン散乱
研究概要

南極ボストーク基地で堀削された氷床コアに含まれるクラスレート水和物について、以下の新たな知見を得た。
1. 氷床コアに含まれるクラスレート水和物の解析
(1)X線構造解析:比較的大きなクラスレート水和物について、X線四軸自動回折計による構造解析を行った。グリーンランド・ダイスリー基地で堀削されたコア中のクラスレート水和物とは明らかに違うデータが得られており、現在その相違の原因について検討を進めている。微少なクラスレート水和物については、高エネルギー物理学研究所の放射光実験施設で、その分布を非破壊的に検出することに成功した。さらに、効率的な方法を検討中である。
(2)レーザラマン測定:クラスレート水和物中のN_2とO_2については、その伸縮モードを検出し、深さ依存性を調ベている。CO_2については、まだ検出に成功していない。赤外分光を並用して、検出方法を検討している。
(3)光学顕微鏡観察:クラスレート水和物の平均体積が、水素同位体組成と極めて良い相関関係にあることを見い出した。すなわち、水和物の平均体積は、氷床表面温度の新たな指標になり得ることが明らかになった。
2. X線回折によるクラスレート水和物の生成過程の観察:高圧セルに氷の粉末を入れ、CO_2気体で加圧することによって、クラスレート水和物を生成し、その生成速度をX線回折で測定可能であることを確認した。この測定は、北大に既設の透過能に秀れた高エネルギーX線発生装置がなければ不可能であることも明らかになった。
3. 氷床におけるクラスレート水和物の生成過程について理論的検討を行い、氷床中における分子拡散が重要であることを明らかにした。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 本堂 武夫: "氷結晶中の格子間分子" 応用物理. 第61巻第8号. 835-838 (1992)

  • [文献書誌] 本堂 武夫・内田 努・前 晋爾・P.Duval・V.Ya.Lipenkov: "ボストーク・コアに含まれるクラスレート水和物の結晶学的解析" 南極資料. Vol.36No.2. 268-278 (1992)

  • [文献書誌] 本堂 武夫・内田 努: "極地氷床における空気包接水和物の生成過程" 低温科学・物理篇. 第51号. 197-212 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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