研究課題/領域番号 |
04452328
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
斉藤 正樹 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 助教授 (30215561)
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研究分担者 |
森田 毅 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 助手 (30200421)
藤家 洋一 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 教授 (10028996)
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キーワード | 高密度液体金属 / 二相流自然循環 / 気液スリップ比 / MHD発電 / サイクル効率 / 二相流流動様式 / ボイド率 / 低融点合金 |
研究概要 |
1.本発電システムを高速炉に適用した場合に加え、1000K〜1300Kの高温熱源に適用した場合並びに400K程度の低温熱源に適用した場合のサイクル解析を実施し、以下に示す知見を得た。 (1)本発電システムは、600K〜800Kの熱源帯において、従来の水蒸気タービンサイクルに比べ十分競合出来るサイクル効率及び電気出力が得られる可能性が高い。 (2)作動流体の適切な組み合わせにより、本発電システムは低温熱源や高温熱源にも適用が可能である。 (3)大容量熱源のみならず、小規模な熱源にも適用可能であり適用性における自由度が大きい。 (4)しかし、いずれにおいてもサイクル効率は二相流上昇部における気・液スリップ比に大きく影響を受ける。 2.常温水一窒素ガス及び低融点合金(融点70℃、密度9.6)ー窒素ガスを用いた二相流自然循環特性基礎試験より以下に示す知見を得た。 (1)低ボイド率領域の気泡流においては、気相質量流量の増加に伴い液相の循環流量は急激に増加し、気・液スリップ比は1に向かって減少する傾向がある。 (2)しかし、高密度の液体金属(低融点合金)を用いた二相流自然循環においては、ボイド率が十数パーセントよりさらに増加すると、気・液スリップ比が逆に増加し、そのため気相流量の増加に対する液相の循環流量の増加率が低下する傾向がみられた。これは、この近傍で二相流上昇部での二相流流動様式で気泡流からスラグ流に遷移したためと考えられる。これらの実験を基に、高密度液体金属二相流自然循環にも適用可能な、より一般性のある気液スリップ相関式の検討を行っており、まとまり次第、雑誌への投稿を予定している。また、気・液スリップ比を低く抑える方法(例えば、ピストン流の採用等)の検討も進めている。
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