研究課題/領域番号 |
04453001
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
市川 恒樹 北海道大学, 工学部, 助教授 (10001942)
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研究分担者 |
田地川 浩人 北海道大学, 工学部, 助手 (10207045)
小泉 均 北海道大学, 工学部, 助手 (00175324)
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キーワード | 水素引き抜き反応 / アルカン / 水素原子 / 固相反応 / トンネリング / 化学反応理論 |
研究概要 |
固体中のアルカンからの水素引き抜き反応に対する外力の効果を研究した。液相でのアルカンからの水素引き抜き反応の速度は、1級炭素、2級炭素、3級炭素の順に増加するが、媒体がアルカン分子の自由な運動を強く制限する固体では、1級炭素、分子端から3番目以后の2級炭素、分子端から2番目の3級炭素、分子端から2番目の2級炭素の順で引き抜き速度が増加した。これは反応速度が反応の活性化エネルギーの大きさのみでなく、反応熱が分子に吸収される速度にも依存する結果、媒体からの外力によって分子運動が阻害される程度が大きく、従って反応熱の吸収速度が小さい内側の炭素や3級炭素からは水素引き抜きがおこりにくくなることによる。液相では媒体による運動障害が小さく、このような効果は見られない。このため引き抜き速度の順序は活性化エネルギーの順序に一致する。現在反応速度と分子運動阻害度との関係を理論的に定式化しようとしている。
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