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1992 年度 実績報告書

素反応過程におけるポテンシャルの断熱性

研究課題

研究課題/領域番号 04453012
研究機関北海道大学

研究代表者

松見 豊  北海道大学, 電子科学研究所, 助教授 (30209605)

研究分担者 正源 聡  北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (50216157)
川崎 昌博  北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (70110723)
キーワード素反応過程 / 光分解過程 / 反応ポテンシャル面 / レーザー多光子イオン化 / 微細構造分布
研究概要

種々の光分解および反応で生成する原子のスピン軌道成分の生成比を測定し、それがどういう機構で決定されているかを解明することを目的とし,実験を行った。エキシマレーザーを真空チャンバーに導き、チャンバーに流したCl_2,ICl,NO等の化合物を光分解し、それにより生成したCl,O.I原子をエキシマ励起色素レーザーの光を照射して共鳴多光子イオン化させた。生成したイオンを電場にて加速し,フライトチューブを通してチャネルトロンで計測した。検出に共鳴多光子イオン化法を用いるので共鳴波長の違いによりj準位を分けて測定することができ,上記の分子の光分解で生成する微細構造分布を種々の波長について決定した。それらの微細構造分布が,核の分離してゆくときの並進エネルギーにどのように依存するかを調べ、さらにスピン軌道分裂の大きさとの関連を明かにし、余剰エネルギーがスピン軌道分裂に近い場合には共鳴効果の有無を調べた。また,光分解および反応生成物の角度分布を調べて反応のポテンシャルの対称性について調べた。.さらに,O(^1D)+HCl→OH+Cl(^2P_j,H+Cl_2→HCl+Cl(^2P_j)などの素反応過程で生成するCl(^2P_j)のj分布を調べた。これらの実験により光分解および素反応の過程におけるポテンシャル間の非断熱遷移の役割についてかなり詳しい研究を行うことができた。一方,生成した原子がどのポテンシャルを通して解離したかを明かにするため,生成原子の速度および角度分布を求める装置を作製している.多光子イオン化した後にで生成したイオンはマルチチャンネルプレートにて画像として増幅され,高速シャッター付カメラにて二次元的なデータを得てマイクロコンピュータにて処理できるように製作途中である.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Y.Matsumi: "Fine-strucyture branching ratios and Doppler profiles of Cl(^2P_j)photofragments from photodissociation of chlorine molecule near and in the ultraviolet region" Journal of Chemical Physics. 97. 1065-1071 (1992)

  • [文献書誌] K.Tonokura: "Doppler spectroscopy of hydrogen and chlorine atoms from photodissociation of silane,germane,chlorosilanes,and chloromethanes in the vacuum ultraviolet region" Journal of Physical Chemistry. 96. 6688-6693 (1992)

  • [文献書誌] Y.Mo: "Mechanism of the UV photodissociation of chloroethylenes determined from the Doppler profiles,spatial anisotropy,and power dependence of the photofragments" Journal of Chemical Physics. 97. 4815-4826 (1992)

  • [文献書誌] Yutaka Matsumi: "Dynamics of the reaction O(^1D) + HD, H_2, and D_2:isotopic branching ratios and translational energy release" Journal of Physical Chemistry. 96. 10622-10626 (1992)

  • [文献書誌] Kenichi Tonokura: "Photodissociation of hydrogen chloride at 157 and 193 nm:Angular distributions of hydrogen atoms and fine-structure branching ratios of chlorine atoms in the ^2P_j levels." Journal of Chemical Physics. 97. 8210-8215 (1992)

  • [文献書誌] Yutaka Matsumi: "Dynamics of the Reactions of O(^1D)with HCl,DCl and Cl_2." Journal of Chemical Physics.

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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