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1993 年度 実績報告書

有機合成反応におけるルイス酸の役割に関する系統的研究

研究課題

研究課題/領域番号 04453019
研究機関東北大学

研究代表者

山本 嘉則  東北大学, 理学部, 教授 (60029519)

研究分担者 浅尾 直樹  分子科学研究所, 助手 (60241519)
キーワードルイス酸 / アリル有機金属化合物 / アリルスズ / フリーラジカル反応 / イミニウムイオン / ラジカル開始剤 / 塩化亜鉛 / 立体選択的反応
研究概要

α-ブロモアミノエステルがアリルスズと反応することはよく知られているが,我々はこの反応がルイス酸により促進されることを見い出した。すなわちルイス酸が存在しない場合,-78℃で1はアリルスズとは全く反応せず,室温まで上げることにより初めて反応は進行したが,それでも収率,不斉収率共に低かった。ところが,ZnCl_2・OEt_2を添加したところ,-78℃で反応は進行し,しかも収率85%,不斉収率70%deと,共に良い結果が得られた。また反応初期の段階で反応を停止すると不斉収率が86%deにまで向上した。この反応系内にラジカル停止剤であるGarvinoxylを加えると,ルイス酸存在化でも反応が全く進行しなくなることから,ルイス酸はキレート剤としてだけでなく,低温条件下での効率的なラジカル開始剤として働いていることが明らかとなった。
これまで述べてきたN上に電子吸引基を有するアシルイミニウムイオンは,一部の構造化学的な観点からの特殊な系を除くと,はっきりとした構造を検証した例がなかった。我々は合成応用に直接結び付けられる系において,イミニウムイオンをNMRで観察することに成功した。NOE等の測定により4からはE体5が,6からはZ体7が立体特異的に生成していることがわかった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 井深 俊郎: "Remarkable Difference in Reactivirty of Ordinary Vinylcopper Reagents and Vinylzinc Halide Containing a Copper Salt towards γ-Mesvlozxy-α,β-enoates." Tetrahedron. 49. 9479-9488 (1993)

  • [文献書誌] 浅尾 直樹: "Asymmetric Synthesis of the β-Lactam Framework via a Theree Component Coupling Reaction" J.Chem.Soc.Chem.Commun.1660-1662 (1993)

  • [文献書誌] 門田 功: "Stereocontrolled Synthesis of the Hemibremetoxin Ring System via an allylic Tin Method." J.Chem.Soc.Chem.Commun.1638-1641 (1993)

  • [文献書誌] 井深 俊郎: "Unpresedented Rearrangement Reaction of 2.Aziridinemethanols with “Lower Order" dithium Methylcyano cuprate." Tetrahedron Lett.34. 7421-7424 (1993)

  • [文献書誌] 鈴木 一郎: "Conformationally Rigid Acyclic 2.2.6.6-Tetramethyl-3,5-tleptanediol(TMHDioE) Derivative as a New Class of Chiral Auxiliaries." J.Am.Chem.Soc.115. 10139-10146 (1993)

  • [文献書誌] 山本 嘉則: "Selective Reactions Using Allylic Metals." Chem.Rev.93. 2207-2293 (1993)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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