研究課題/領域番号 |
04453021
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
安藤 喬志 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (70029867)
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研究分担者 |
藤田 光恵 滋賀医科大学, 医学部, 教務職員 (40175576)
宗宮 創 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (80211324)
木村 隆英 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (70167378)
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キーワード | ソノケミストリー / 超音波 / 四酢酸鉛 / 光化学 |
研究概要 |
1.四酢酸鉛と各種有機化合物との反応に及ぼす超音波照射の効果について、その活性化の機構論的研究が続けられた。酢酸中での各種アルケン類との反応については、反応の加速とラジカル性生成物への選択性の増大(ソノケミカルスイッチング)が顕著であった。これに対し、アセトニトリル中でのトリアリールメタノールとの反応や、ベンゼン中ピリジン存在下での2-オクタノールとの反応では、反応性選択性に明確な変化は現われなかった。興味深いことに、これらの反応のうち最初のものだけが、撹拌下においても温度効果の大きな反応であって、高温でラジカル性生成物を与える。このことは、超音波照射の効果が、本質的に熱エネルギーに由来することを示唆するものである。 2.酢酸中の四酢酸鉛とトランス-β-メチルスチレンとの反応においても明らかなソノケミカルスイッチングが観察されたが、このときメチルラジカルの生成物2種の生成比は、その活性化パラメーターの差に基づき反応温度によって変化する。これを利用し、超音波照射下の実測温度と生成物比から求められる反応環境温度とを求めたところ、前者が60℃のとき後者は74℃となり、メチルラジカルは実測温度より高めの反応環境において反応していることがはじめて明らかにされた。 3.光化学反応に及ぼす超音波照射の効果について検討した。テトラヒドロフラン中のベンゾフェノンに光照射を行うと、超音波を同時に照射したときのみ特異的な生成物が得られることを見い出した。これは光ソノケミストリーの可能性を示唆するものである。
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